さしすせそ

再生可能エネルギー

有限である石油・石炭などの化石燃料に比べ、自然環境の中で繰り返し利用または再生できるエネルギーをいう。
太陽光、太陽熱、水力、風力、地熱、波力などの「自然エネルギー」
廃棄物発電、廃棄物熱利用、廃棄物燃料、温度差エネルギーなどの「リサイクルエネルギー」
森林の樹木や落葉・麦わら・家畜の糞など、生物体(
バイオマス)を構成する有機物をエネルギー資源として利用するバイオマスエネルギー(バイオマスは太陽エネルギーを使い、水と二酸化炭素から生物が生成するものなので、持続的に再生可能)も再生可能エネルギーである。これらは石油に代わるエネルギーでもあることから石油代替エネルギーにも含まれる。

砂漠化 原因と影響

1994年の国連砂漠化対処条約(UNCCD)で砂漠化の定義「乾燥、半乾燥、乾燥半湿潤地域におけるさまざまな要素(気候変動及び人間の活動を含む)に起因する土地荒廃」
砂漠化が起こると肥沃な土地を取り戻すには数世紀かかると言われている。また砂漠化は農耕地を減少させ、飢餓や難民移動による民族間の紛争に発展する。現在砂漠化が進行しているのは、アジア、アフリカ、南アメリカ、オーストラリア。現在砂漠化の影響を受けているのは地球の陸地面積の1/4、世界の乾燥地域の70%に及ぶ(1991国連環境計画UNEPの報告)
砂漠化の原因としては、地球規模での気候変動や干ばつといった自然的要因と過剰な放牧や農地の不適切な使い方による土地荒廃、薪炭材の過剰な伐採という人為的要因がある。(開発途上国の貧困と急激な人口増加による)
食糧確保による砂漠化の進行でさらに農地を減少させ食糧不足をまねくという悪循環が生じている。
関連:
国連砂漠化対処条約(UNCCD)、国連環境計画(UNEP)国連砂漠化防止会議

産業廃棄物管理票(マニフェスト)

産業廃棄物の収集・運搬・中間処理・最終処分などを他人に委託する場合、排出者は委託者に対してマニフェスト(産業廃棄物管理票)を交付し委託どおりに処理が行われたかを確認しなければならない。

酸性雨

工場の排煙や自動車の排気ガスに含まれるSOx(硫黄酸化物)NOx(窒素酸化物)などの酸性物質が雨や雪に溶け込んで地表に降ってくることをいう。酸性雨は水素イオン濃度pH5.6以下の雨をさす。(中性の状態pH7であるが、自然の雨も弱酸性を示す)
酸性雨の影響により懸念されることは、森林の衰退、湖沼の魚類の減少・死滅、建造物や金属構造物、文化遺産の溶解被害。

サヘルの干ばつ

サハラ砂漠南側のサヘル地域(モーリタニア、セネガル、マリ、ニジェール、チャドなどの国が含まれる)で1968年〜1973年にかけて大干ばつが起こり、数十万人の餓死者や難民が発生。

サーマルリサイクル

汚れがついたり、いくつかの素材で出来たものは、原材料としての再利用が難しいため、廃棄物を燃料として利用(焼却熱をエネルギー等として再利用)する。これをサーマルリサイクルという。固形燃料に加工し熱源として利用する場合もある。
これに対し使用済となった製品、製造にともない発生した副産物を廃棄物とせずに回収し、原材料として再利用することを
マテリアルリサイクルという。

持続可能な開発のための教育

ESD:Education for Sustainable Development 持続可能な開発のための教育
2002年のヨハネスブルグサミットで日本市民と政府より共同提案。同年12月の第57回国連総会で実施が決議される。
国連持続可能な開発のための教育の10年」は2005〜2014年の国連キャンペーン

室内化学物質濃度指針値

ホルムアルデヒドやトルエンなどのVOC(揮発性有機化合物)は「シックハウス症候群」を引き起こす。
厚生労働省は、シックハウス対策にためにホルムアルデヒドなど13物質についての室内濃度の指針値を定めている。(室内化学物質濃度指針値)
ホルムアルデヒドは0.08ppm

社会的責任投資(SRI)

企業の社会的・倫理的基準を考慮して投資判断を行うことをいう。米国や英国で1970年代ごろから発展した考え方で、当時は人権問題、労働問題、差別問題が主であったが、近年は企業の環境問題への熱心な取り組みが評価されている。エコファンドはSRIのひとつ。
参考:
社会的責任投資に関する日米英3か国比較調査報告書
biz

集じん装置、排煙脱硫装置、排煙脱硝装置

大気汚染防止のための排煙装置。集じん装置は浮遊粒子を集め分離除去。排煙脱硫装置、排煙脱硝装置はアルカリ性水溶液やアンモニア、尿素などを吸収剤・反応剤として排煙中のSOxやNOxを吸収除去する。
関連:
大気汚染防止技術

重金属等

カドミウム、鉛、六価クロム、水銀、ヒ素、シアン、PCBなど
関連:
土壌環境基準(土壌の汚染に係る環境基準)

循環型社会

循環型社会形成推進基本法によれば、「循環型社会とは、製品等が廃棄物となることが抑制され、並びに製品等が循環資源となった場合においてはこれについて適正に循環的な利用が行われることが促進され、及び循環的な利用が行われない循環資源については適正な処分が確保され、もって天然資源の消費を抑制し、環境への負荷ができる限り低減される社会をいう」とある。

消費生活アドバイザー制度

消費生活アドバイザー制度とは、消費者と企業等の“かけ橋”として消費者相談業務において、適切なアバイスをしたり、消費者の意向を企業経営に反映あるいは行政への提言ができる人材の養成を目的に、経済産業大臣の認定(事業認定)を得て実施する技能審査(消費生活アドバイザー試験)に合格し、なおかつ一定の要件を満たした者に対し『消費生活アドバイザー』の称号を付与する制度。
(財)日本産業協会は、この試験実施団体となり、1980年から消費生活アドバイザー試験を実施。

食品添加物

食品の製造の過程や加工保存の目的で食品に添加するもの。食品衛生法では、「原則、物質名で表示」「甘味料、着色料、保存料など8種類の用途に使われるものはその用途名を併記」などが定められている。

食品添加物の表示免除の場合
・加工助剤:加工中に使われるが工程中に除かれ最終食品にはほとんど残らない場合
・キャリーオーバー:加工業者が仕入れた原材料や調味料自体に添加物が加えられているが、最終食品にはほとんど残らない場合
・小包装食品:表示面積が小さく(30㎠以下)、表示が困難な場合
・栄養強化:栄養強化の目的で添加物が使用される場合
・ばら売り:販売店がばら売りや量り売りする場合

食料自給率

国民が消費する食料のうち、国内産でまかなうことができる割合。一般的にはカロリーベースで考える「供給熱量自給率」をさす場合が多い。日本の食料自給率は約40%(2000年農林水産省)で他の先進国に比べても低い。
フランス130、米国119、ドイツ91、英国74、スイス54、韓国49

人口爆発

約450万年前に最初の人類が誕生して人類の歴史が始まったが、古代・中世までは目立った人口増加は見られなかった。
その後人口が増え始め1650年に約5億人、18世紀末ごろから増加率が高まり19世紀前半に10億人を越えた。
第二次世界大戦後の1950年から急激な人口増加となり特に1960〜2000年の40年間で人口は2倍に膨れ上がった。特に開発途上国での増加が激しくアジア(特に中国、インド)アフリカで世界人口の約74%をしめる。 2050年には世界の人口は90億人を越えると予想される。

森林破壊の原因と影響

森林破壊の原因は、非伝統的な焼畑耕作(伝統的な焼畑耕作は植生再生の期間を考慮した土地のローテションをする)、薪炭材の過剰伐採、農地への転用、過剰放牧、不適切な商業伐採、森林火災、酸性雨などが考えられる。1980年代以降マングローブ林の急激な減少があるが、これはエビ養殖場の乱開発が指摘される。
森林破壊による影響は、いったん伐採された熱帯林は再生は非常に困難になる。森林が破壊されると栄養分を含んだ土の表面が流失し、直射日光による乾燥、野生生物の生息環境が失われる。その結果、木材資源、食糧農産物への影響、洪水土砂災害の発生、野生生物の絶滅、地球温暖化などの気候変動の加速。
関連:
森林原則声明熱帯林行動計画(TFAP)国際熱帯木材機関(ITTO)

森林認証

適切な森林管理を基準に照らして認証し、その森林で生産された木材や木製品をラベルで示す。

森林の減少

地球表面の71%が海、29%が陸地。その陸地の30%が森林。森林の半分が熱帯林。
国連食糧農業機関(FAO)の調査によると1990年から2000年の10年間で全世界で約9,400万haの森林が減少、特に熱帯林は約1,420万ha減少(日本の本州の2/3に相当)

シックハウス症候群

新築の家や長期間不在だった家に入ると、目がチカチカしたりのどが痛くなる。またアトピー性皮膚炎のような症状やぜんそくのような症状が出る事があるが、このような現象を「シックハウス症候群」という。
「シックハウス症候群」はホルムアルデヒドやトルエンなどの
VOC(揮発性有機化合物)による室内の空気汚染により引き起こされる。

シュバルツバルト(黒い森)

ドイツ南西部ライン地溝帯の東側の山地で針葉樹林に覆われ、湖、温泉があり保養客が多いが、黄色い森に変ってしまうという酸性雨の影響とされる現象が現れた。

シュレッダーダスト

廃棄家電や廃棄自動車から鉄や非鉄金属などを回収した後に工業用シュレッダーで破砕し産業廃棄物として捨てられるプラスチック・ガラス・ゴムなどの破片の混合物。

スローフード運動

イタリア人のカルロ・ペトリーニによって提唱され、ヨーロッパやアメリカに広まった運動。1986年にイタリア・ピエモンテ州ブラで協会が設立された。
郷土食などを守り、食と味覚の教育と持続性のある農業を推進。日本では1999年に支部が誕生。2004年に正式に国内本部「
スローフードジャパン」が誕生。

水質汚濁防止技術

公害としての水質汚濁は、企業活動によるものと一般社会生活によるものがあり、汚水の発生源は多岐にわたっている。水質汚濁防止技術は物理化学的な方法と生物学的な方法の組み合わせで、いろいろな技術が開発されている。
・物理化学的方法:ろ過、沈殿分離、凝集沈殿、浮上分離、中和(pH調整)、吸着、イオン交換などで排水中の微粒子を分離
・生物学的方法:微生物の働きで排水中の有機物を分離。下水道の処理などで活性汚泥法として利用。

1.重金属による汚染防止技術
鉱山、めっき、化学工業、電子部品、機械部品などの製造業などから排出される重金属には、厳しい排水基準が設けられている。重金属を含む排水は、
凝集沈殿法イオン交換法生物学的吸着法などを利用
2.有機物による汚染防止技術
物理化学的処理単独で行われることは少なく、生物学的処理の前処理後処理として用いられる。物理化学的処理では、凝集沈殿、ろ過、活性炭吸着など、生物学的処理では、微生物の働きにより汚水中の有機物を酸化させる活性汚泥法が代表的。

生産投入エネルギー量(農作物)

農作物が本来収穫できる時期とそうでない時期を比べ、生産するのに必要なエネルギーを比べたもの。例えば、夏秋どりのトマトは1,176kcal/生産量kgなのに対して、冬春どりのトマトは11,949kcal/生産kgかかる。旬の素材は栄養面だけでなく環境面でも優れている。

生物学的吸着法

重金属による汚染防止技術に使用される技術で、微生物に重金属を吸着させる方法。

生物資源 遺伝資源

人間の生活に必要な食料、衣料、薬品などの原材料となる生物を生物資源という。品種改良などで蓄積された多種多様な品種群を遺伝資源という。遺伝資源は広義の生物資源に含まれる。またバイオテクノロジー研究においても重要な資源である。
生物多様性条約では、生物資源を持続可能な形で利用、遺伝資源は公平に利用することを目的とした国家戦略や計画を作成も規定している。

生物種 野生生物の減少

科学的に解明さえている野生生物は175万種程度だが、国連環境計画(UNEP)の推計では、地球上に存在する種の数は最大で1億1,100万種とされる。現在、気候変動や生態系の変化でかってないスピードで種の絶滅が進行。熱帯林の減少によって今後25年間に約4〜8%生物が絶滅するという試算もある。
野生生物種減少の原因として考えられるのは、環境破壊や悪化による生息域の減少、乱獲・密猟密漁、生態系の変化、農作物や家畜を守るための危害動物の駆除
関連:
ワシントン条約、ラムサール条約生物多様性条約絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律新・生物多様性国家戦略自然環境保全法自然公園法自然再生促進法自然再生協議会

生分解性プラスチック

微生物などにより自然界で分解されるプラスチック。トウモロコシ、ジャガイモ、サツマイモなどのでんぷんを発酵させてできたポリ乳酸などから作られる。

ゼロエミッション

「ゼロエミッション」とは、もとは国連大学が1994年に提唱したゼロエミッション研究構想(Zero Emissions Research Initiative = ZERI)。基本的な考え方は、環境を汚染することのない生産工程を用いたり、異業種産業(企業)の連携によって廃棄物の再利用をしたりすることで、結果的に社会全体で廃棄物排出ゼロのシステムを構築すること。
環境管理の国際規格ISO14001取得を目指し、「ゼロエミッション運動」に取り組む企業も増えている。
biz

ソーシャル・マーケティング

企業の社会的責任の観点から消費者の利益・安全・環境保全などに主眼をおいたマーケティンング。1960年代の米国における消費者運動が原点であるが、近年日本の企業にも意識が芽生えてきた。
biz